インドネシアで抹茶パウダー(matcha powder、bubuk matcha)を探すと、通販の商品ページや、家庭向けの袋を並べたおすすめ記事が多く出てきます。カフェで毎日ラテに使うなら、量と値段に加えて、その袋がインドネシアで正しく登録された輸入品か、ハラール認証があるか、中身が抹茶だけかも確かめる必要があります。仕入れ方ごとに誰が何を引き受けるのかを、インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)・ハラール製品保証実施機関(BPJPH)・インドネシア税務総局・財務省の公開情報で、2026年10月20日時点で確かめました。
インドネシアで抹茶パウダーを仕入れる3つの方法
カフェが業務用の抹茶を仕入れる方法は、現地の輸入業者から買う、日本から自社で輸入する、通販で少量を買う、の3つです。どれを選ぶかで、BPOMの流通許可とハラール認証の登録を誰が持つかが決まります。
インドネシアで売るために包装した加工食品を輸入するには、輸入する会社がBPOMの流通許可(輸入品の番号は「ML」で始まるため、ML番号と呼ばれます)を商品ごとに取り、輸入のたびに輸入許可(SKI)を取ります。どの方法でも、誰かがこの許可を持って輸入しています。
輸入の食品・飲料のハラール認証の義務は、2026年10月18日に始まる予定でした。2026年10月16〜17日に政府(経済調整省)が、輸入の食品・飲料は2028年10月18日からに延ばすと発表し、政令2024年42号を改正して行う予定です(改正は2026年10月20日時点で未公布)。義務が始まる前でも、取引先からハラール証明書を求められることがあるため、比較の項目に入れています。
| 現地の輸入業者・卸 | 日本から自社で輸入 | 通販(Tokopedia・Shopeeなど) | |
|---|---|---|---|
| ML番号と出荷ごとのSKI | 輸入業者が持つ | 自社が取る | 売り手しだい。番号の表示がない商品もある |
| ハラール認証の登録 | 輸入業者が日本の認証書を登録 | 自社が登録する | 「Halal」の一語だけの表示が多い |
| 通関・関税・輸入時の税 | 輸入業者 | 自社か通関業者 | 不要(売り手が済ませている前提) |
| 産地・ロットの見えやすさ | 業者の書類しだい | 売主から直接もらえる | 商品ページの表示だけのことが多い |
| 向いている店 | 続けて使う店、手続きを持ちたくない店 | 使う量が多い店やチェーン | 試作・開店前・メニュー開発 |
輸入者の資格、流通許可の申請書類、ハラール認証の手続きはインドネシアに抹茶を輸入するにはにまとめています。ここでは、カフェがどの仕入れ方を選び、何を確かめるかに絞って書きます。
日本からインドネシアへの、抹茶を含む粉末状の緑茶の輸出
2026年1〜8月に日本からインドネシアへ輸出された粉末状の緑茶は106,940kgで、前年同期の80.7%でした。量は減った一方で、輸出額は前年同期の161.5%に増え、1kgあたりの単価は2,728円から5,462円に上がっています。
日本茶輸出促進協議会が財務省の貿易統計などをもとにまとめた集計では、インドネシア向けの緑茶は次のとおりです。
| 2025年1〜8月 | 2026年1〜8月 | 前年同期比 | |
|---|---|---|---|
| 粉末状の輸出量 | 132,568kg | 106,940kg | 80.7% |
| 粉末状の輸出額 | 3億6,167万円 | 5億8,409万円 | 161.5% |
| 粉末状の1kgあたりの単価 | 2,728円 | 5,462円 | |
| 緑茶全体の輸出量 | 165,109kg | 133,342kg | 80.8% |
| 緑茶全体の輸出額 | 4億1,661万円 | 6億5,184万円 | 156.5% |
インドネシアは国別の順位で19位(前年同期は18位)です。輸出額の90%を粉末状が占め、インドネシアに届く日本の緑茶の大半は粉の形です。財務省の貿易統計で2025年の1年間を見ると、粉末状は216,625kg、7億1,540万円でした。
農林水産省の整理では、統計の「粉末状」は抹茶と、茶を粉砕機などで粉にした粉末茶を合わせた区分で、抹茶だけの数字ではありません。日本の原料の値段が上がった経緯は抹茶は今も足りないのかに、輸出単価の年ごとの動きは抹茶の値段はどう決まるのかにあります。
現地の輸入業者から買う
インドネシアの輸入業者から買うと、ML番号、出荷ごとのSKI、ハラール認証の登録、通関と関税・税を業者が引き受けます。カフェは輸入の手続きを持たずに受け取れます。
業者に聞いておくこと
手続きが要らない代わりに、どこで、いつ作られた抹茶かが見えにくくなることがあります。まず、ML番号と、BPOMに登録された品名を聞きます。番号の調べ方は後で説明します。
続けて、ハラール認証の番号と期限、その認証書がインドネシアで登録されているかを聞きます。日本の認証機関の認証書は、BPJPHと相互承認を結んだ機関のものを、輸入者がBPJPHのシステム(SIHALAL)に登録して使います。
そのほかに、産地と茶期、ロット番号とロットごとの分析証明書(COA:成分や検査の結果を示す書類)、残留農薬の検査結果、製造日と届く時点での賞味期限までの残りの期間を聞きます。インドネシアは「緑茶及び紅茶」について、インドネシアに登録された日本の検査機関でロットごとに残留農薬を検査し、分析証明書を付けるよう定めています(2025年検疫庁長官令2314号)。品目名に抹茶の名前はありませんが、粉末を外すという記載もありません。
最低量と納品の単位
1回に買える量や納品の単位は、業者ごとに決まっています。毎月の使用量を出してから、何袋ずつ、どの間隔で届けてもらうかを決めます。使用量の出し方は抹茶を卸で仕入れる方法に書いています。
日本から自社で輸入する
日本の会社から直接買う場合は、自社が輸入者になり、抹茶ごとにML番号を取り、出荷ごとにSKIを取り、ハラール認証を登録します。手続きは増えますが、産地とロットの書類を売主から直接受け取れます。
自社で輸入するときに要るもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 輸入者の資格 | 事業者番号(NIB)が輸入者番号(API)を兼ねる。仕入れて売るための輸入はAPI-U |
| 流通許可(ML番号) | 申請できるのは、日本の会社から指名された輸入者だけ。日本の会社との指名契約書(日本の公証人や商工会議所などの認証付き)、日本の当局が出す衛生証明書か自由販売証明書、ラベル案などを出す。有効期間は5年 |
| 輸入許可(SKI) | 加工食品は輸入1回ごとに取る |
| ハラール認証 | 輸入の食品・飲料の義務は2026年10月18日に始まる予定だったが、2028年10月18日からに延ばすと政府が発表した(政令の改正は2026年10月20日時点で未公布)。義務の前でも取引先から求められることがある。輸入者が日本の認証書をBPJPHに登録する。出荷ごとの船積み前のハラールの確認(LPPHの報告書)は、廃止が発表された |
| ラベル | 品名、原材料、内容量、輸入者の名前と住所、製造日とロット、賞味期限、流通許可番号などをインドネシア語で印刷する。インドネシアに入る時点で付いていて、許可を取ったときのラベルと同じであること |
| 関税 | 日インドネシア経済連携協定(IJEPA)を使うと0%(日本の原産地証明が要る)。協定を使わない場合は5% |
ML番号の審査の日数は、システムが判定するリスクの区分で変わります。BPOM規則2023年23号では、中低リスクは入金の確認から1営業日以内、中高リスクは5営業日以内、高リスクは審査に30営業日以内です。抹茶がどの区分に入るかは、確かめられませんでした。
関税は、財務大臣規則2026年60号のIJEPAの税率表で、抹茶が入る0902.10と0902.20がどちらも0%です。地域的な包括的経済連携協定(RCEP)を使う場合は、2026年4月から2027年3月までの率が、小売包装の粉(0902.10.90)で2.0%、その他の包装の粉(0902.20.90)で3.0%です。輸入時には、関税のほかにPPNと所得税の前払い(PPh22:輸入者番号があれば輸入額の2.5%、なければ7.5%)もかかります。
ML番号を申請できるのは、日本の会社から指名された輸入者だけです。指名契約が終わると、許可も効力を失います(BPOM規則2023年23号 9条・11条)。日本の売主が別の輸入業者に卸している抹茶でも、自社で輸入するなら、自社が日本の会社から指名を受けて番号を取ります。
サンプルの受け取り方
注文するかを決めるための試飲用のサンプルは、日本郵便のEMSで受け取れます。東京から差し出したEMSの標準の日数は8日です。2026年4月1日からは、受取人がインドネシアの税務署の16桁の番号を持っていない場合、パスポート番号などを書くことになりました。
輸入許可のSKIについて、BPOM規則2023年28号は、研究・製品開発・展示会の目的で輸入したものは市場テストに使えないとしています(38条)。メニューに入れて売り始める段階では、輸入者(ML番号)が先に要ります。ハラール認証も、義務が始まる前から取引先に求められることがあります。
輸送条件で、払う人が変わる
日本の売主と結ぶ輸送条件で、関税と税を誰が払うかが変わります。DAP(仕向地持込渡し)では、売主が指定の場所まで運び、輸入通関と関税・税は買主が受け持ちます。DAPで買うなら、見積もりの商品代と送料に、関税・PPN・PPh22を自分で足して比べます。
通販で少量を買う
TokopediaやShopeeなどの通販で袋を買う方法は、開店前の試作や、抹茶を使うメニューが少ない店に向いています。ただし、輸入品の番号や中身の表示がない商品も多いため、買う前に商品ページを読みます。
通販で並ぶ1kgの抹茶パウダーの価格帯
2026年10月20日に、Tokopediaで「matcha powder 1kg」を検索すると720件が表示されました。上位30件の商品ページを開くと、抹茶だけの粉は5件ほどで、残りは砂糖や植物性クリーマーを混ぜた粉や、アイスの素でした。
| 中身 | 1kgの値段(2026年10月20日、Tokopedia) | 表示の傾向 |
|---|---|---|
| 抹茶だけの粉(「Pure Matcha」など) | 約44万〜134万ルピア | 産地に「Uji」などと書く商品が多い。BPOM番号の表示がない商品もある |
| ラテ用の配合粉(抹茶に砂糖・クリーマーなどを混ぜた粉) | 約25万〜41万ルピア | 「matcha powder」「Premium Matcha」の名前で売られていることが多い |
| 砂糖入りの飲料の粉(抹茶味) | 約5万〜10万ルピア(Rp49,500〜95,000) | 産地の表示がない商品が多い |
同じ「matcha powder 1kg」の検索結果でも、抹茶だけの粉は砂糖などを混ぜた粉より高い価格帯に並びます。混ぜた粉は1杯に使う量が多く、甘さも決まっているため、抹茶だけの粉と1kgの値段だけで比べられません。ラテに向く抹茶と配合はカフェの抹茶ラテに使う抹茶の選び方に書いています。
番号の表示を見る
日本からの輸入をうたう商品でも、商品ページに輸入品のML番号を書いたものは見つかりませんでした。国内で作った食品の番号(MD)や、家庭規模の事業者向けの番号(P-IRT)を書いた商品はありました。日本産と書いた袋にMDやP-IRTが付いていれば、インドネシアでどの工程をしたのか(詰め替えや、ほかの材料との配合など)を売り手に聞きます。
BPOM規則2020年8号は、オンラインで売る加工食品に流通許可を求めています(16条1項)。除外されるのは、すぐ食べる調理品と、事業者が原料として使い消費者に直接売らないものです(同条2項)。番号の表示がない商品は、次の章の方法で登録を確かめてから使います。
BPOM番号と登録上の品名で、輸入品かを見分ける
インドネシアで売られている抹茶が正しく登録された輸入品かは、袋の番号がMLで始まるかを見て、BPOMの検索サイト(cek BPOM)で調べると分かります。登録上の品名を見ると、中身が茶そのものか、飲料の粉か、香料かも分かります。
MD・ML・P-IRTの違い
出典: BPOM 情報局「Mengenal Izin Edar Pangan, Apa Bedanya SPP-IRT dan BPOM RI MD/ML?」 https://intelijen.pom.go.id/hot-issue/mengenal-izin-edar-pangan-apa-bedanya-spp-irt-dan-bpom-ri-md-ml
BPOMの解説(2026年5月19日掲載)では、食品の番号は次のように分かれます。
| 番号 | 示すもの | 出す機関 |
|---|---|---|
| MD | インドネシア国内で作った加工食品 | BPOM |
| ML | 輸入した加工食品 | BPOM |
| P-IRT(SPP-IRT) | 家庭規模・小規模の国内の事業者が作る、リスクの低い食品。輸入品には使えない | 地方政府 |
日本から輸入した抹茶をそのまま売っているなら、番号はMLになります。P-IRTは輸入品には使えないとBPOMが明記しています。
cek BPOMで調べる
出典: BPOM「Cek Produk BPOM」 https://cekbpom.pom.go.id/all-produk?query=matcha%20powder
BPOMの検索サイト(cekbpom.pom.go.id)では、品名・ブランド・番号・登録者のどれでも探せます。結果には、種類・番号・発行日・登録上の品名・ブランド・包装・登録者が出ます。番号を入れると1件だけ表示されます。
2026年10月20日に「matcha powder」で検索すると、食品の登録は62件で、そのうちMLは7件、残りはMDでした。茶そのもの(品名 Teh Hijau Bubuk)で1kgの包装のML登録は3件です。表示された品名・包装・登録者が手元の袋と違う場合や、番号が見つからない場合は、その袋で仕入れるのをやめて売り手に確かめます。
登録上の品名で中身を見分ける
検索結果の品名の多くはBPOMに登録した区分の名前で、括弧の中が商品名です。区分のない商品名だけで登録した例もあります。「matcha powder」の検索結果には、次のような区分の名前が並びました。
| 登録上の品名 | 中身 |
|---|---|
| Teh Hijau Bubuk | 緑茶の粉。茶そのもの |
| Minuman Serbuk(Rasa)Teh Hijau | 緑茶(味)の飲料の粉。砂糖などを混ぜたものが多い |
| Bahan Tambahan Pangan Campuran Perisa Teh Hijau dan Pewarna | 緑茶の香料と着色料を混ぜた食品添加物 |
商品名に「Matcha Powder」とあっても、登録上の品名が香料と着色料の食品添加物になっている例があります。抹茶だけの粉を探しているなら、品名が「Teh Hijau Bubuk」かを見ます。ただし「Pure Matcha Powder」を飲料の粉の品名で登録した例もあるため、品名と原材料の欄を両方見ます。
ハラールの表示を確かめる
輸入の食品・飲料のハラール認証の義務は、2028年10月18日からに延ばすと政府が発表しました。もとは2026年10月18日に始まる予定で、延期は2026年10月16〜17日に経済調整省が発表しました。政令2024年42号を改正して行う予定で、改正はまだ公布されていません(2026年10月20日時点)。義務が始まる前でも、取引先からハラール証明書を求められることがあります。
抹茶は認証の対象から外れるか
ハラール認証がいらない材料を定めた宗教大臣決定(2021年1360号)は、植物由来で、加工していないか物理的な加工だけで、ほかの材料を足していないものの一覧を載せています。挙がっているのは生の果物、乾燥野菜、穀物、乾燥海藻、ココアパウダー、メントール・ペパーミント油など33品目(番号は34まであるが25番が欠番)で、茶・緑茶の記載はありません。
蒸す・乾かす・挽くという抹茶の工程が「物理的な加工だけ」に当たるかを、BPJPHが判断した資料は見つかりませんでした。抹茶に認証が要らないと判断できる根拠がないため、仕入れるときはハラール認証の番号を確かめます。
通販の「Halal」表示
Tokopediaの1kgの商品ページでは、「Halal」「100% Halal」「Halal Certified」と一語で書くだけの商品が多く、認証の番号まで書く商品は一部でした。番号の表示がない場合は、売り手に番号と認証機関を聞きます。
BPJPHは、ハラール認証を受けた製品を、halal.go.idから入る検索(info.halal.go.id/cari/)でたどれると案内しています(2022年11月の記事)。日本で取った認証書の場合は、認証機関の名前と、輸入者がインドネシアで登録した記録を確かめます。BPJPHの記事では、相互承認を結んだ日本の機関としてJapan Islamic Trust(JIT)とJapan Muslim Association(JMA)が挙がっていますが、2026年時点の一覧は確かめられませんでした。
混ぜた粉は材料ごとに見る
砂糖・クリーマー・粉乳・香料を混ぜた粉は、抹茶以外の材料にもハラールの確認が要ります。ハラール認証の考え方と、確かめることが増える材料はハラール抹茶とはにまとめています。
PPNとカフェの飲み物にかかる税
インドネシアのPPN(付加価値税)は税率12%ですが、ぜいたく品以外は課税の基準額を11/12にするため、実際の負担は11%です。一方、カフェが店で出す飲み物はPPNの対象外で、地方税がかかります。
売り手がPKPかで、税額票が出るかが変わる
インドネシア税務総局によると、年商48億ルピア以下の小規模な事業者は、課税事業者(PKP)にならなくてよく、その場合は税額票(faktur pajak)を出さず、PPNの申告もしません(財務大臣規則2013年197号、2014年1月1日から)。
| 仕入れ方 | PPNを払う人 | カフェ側で確かめること |
|---|---|---|
| 現地の輸入業者 | 業者がPKPなら請求額に上乗せ | faktur pajakが出るか |
| 自社で輸入(DAPなど) | 自社が輸入時に税関で払う(通関業者を通すこともある) | 関税・PPN・PPh22を含めた原価 |
| 通販 | 売り手がPKPなら価格に含まれる | 小規模な売り手はPKPでないことが多い |
店で出す飲み物は地方税のPBJT
インドネシア税務総局の解説では、ホテル・レストラン・食堂・屋台などで出す飲食は、持ち帰りやケータリングを含めてPPNの対象外です(PPN法4A条)。代わりに地方税のPBJT(特定の物品・サービスにかかる税)がかかり、税率は条例で決まり、上限は10%です。
仕入れで払ったPPNを差し引けるかは、公式の資料では確かめられませんでした。PPNを含めた金額を原価に入れて計算し、差し引けるかは税理士に確かめます。関税と輸入時の税の詳しい扱いはインドネシアに抹茶を輸入するにはにあります。
保管と見積もりの比べ方、契約前のチェックリスト
抹茶は25℃以下なら品質が保たれやすく、暑い場所では早く傷みます。見積もりは、等級の名前ではなく中身の条件をそろえ、届くまでの費用を含めた1杯あたりの抹茶代で比べます。
届いた日から低い温度で保管する
茶業研究報告に載った、加工用の原料抹茶の保存試験では、25℃以下なら24週、商品の特徴が保たれ、37℃では3〜4週が使える限界でした。京都の茶商の山政小山園は、未開封の抹茶を冷凍・冷蔵などで保存し、常温に戻してから開けるよう勧めています。開封後は、一保堂茶舗が1か月以内に使い切ることを勧めています。
輸入業者からなら倉庫と配送の温度管理を、自社で輸入するなら通関で止まる日数と、到着から店の冷蔵庫に入れるまでの段取りを、通販なら売り手がどこに保管しているかを見ておきます。袋の大きさの決め方は抹茶の賞味期限と保存にまとめています。
中身の条件をそろえる
「ceremonial」「premium」「culinary」などの等級の名前は、売り手が使い道の目安として付けている呼び名です。次の項目を見積もりごとに並べます。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 中身 | 抹茶だけか、砂糖・クリーマーなどが入っているか |
| 茶期 | 一番茶だけか、二番茶以降を含むか |
| 産地 | 都道府県と、合わせたものならその内訳 |
| ロットとCOA | ロット番号と、そのロットの分析証明書 |
| 残留農薬 | 登録された検査機関の検査結果 |
| 荷姿と期限 | 1袋の量、製造日、賞味期限までの残りの期間 |
等級の違いは抹茶のグレードの違いに書いています。
1杯あたりの抹茶代を出す
- 届くまでの1kgあたりの値段を出す(商品代+送料+関税と通関の費用+差し引けない場合はPPN)
- 1杯の抹茶代 = 届くまでの1kgあたりの値段 ÷ 1,000 × 1杯に使うグラム数
たとえば仮に、届くまでの値段が1kgあたり60万ルピアの抹茶を1杯3g使うと、抹茶代は1,800ルピアです。砂糖などを混ぜた粉は1杯に使う量が多いため、同じ計算を1杯の量で出し直すと、抹茶だけの粉との原価の差が分かります。
契約の前に確かめること
- 登録:袋の番号がMLで始まり、cek BPOMで見つかり、登録上の品名・包装・登録者が一致するか
- ハラール:認証の番号と期限、認証機関、インドネシアで登録済みか
- 書類:産地・茶期・ロット番号が、届く袋と書類で一致するか。ロットごとのCOAと、残留農薬の検査結果が出るか
- ラベル:インドネシア語のラベルが付いているか
- 値段:送料・関税・通関の費用・PPNが行ごとに分けて書かれているか。faktur pajakが出るか
- 保管と量:届く時点で賞味期限まで何か月残るか。1袋が開けてから1か月で使い切れる量か
Omakase Matchaから仕入れる場合
Omakase Matchaは、宇治・八女・鹿児島・静岡・宮崎の産地から仕入れた抹茶を、1kgから卸しています。インドネシアへはEMSで、約8日でお届けします。受け取るときに関税と税をお店で払っていただくDAPで、支払いはWiseまたはPayPalでの前払いです。
一部の商品はハラール認証を受けています。輸入の食品・飲料のハラールの義務は2028年10月18日からに延ばすと発表されましたが、その前でも取引先から証明書を求められることがあります。インドネシアで認証書が通るかは、認証機関がBPJPHに認められているかで決まるため、商品ごとに確かめてお知らせします。続けて仕入れるには、輸入する会社のML番号が要るため、輸入者がまだいない場合は進め方をご相談ください。
注文前に味を確かめたい場合は、3種類までサンプル請求ができます。条件はインドネシア向け卸に、書類の考え方は品質・書類にあります。
参考にした情報
確認日:2026年10月20日
- 日本茶輸出促進協議会「緑茶の国別・形状別輸出実績 2026年1〜8月」 https://nihon-cha.or.jp/export/wordpress/wp-content/uploads/2026-08_cha_export.pdf
- 財務省「貿易統計 品別国別表(輸出・2025年・インドネシア・0902.10/0902.20)」 https://www.customs.go.jp/toukei/srch/index.htm?M=01&P=1,1,,,,,,,,4,1,2025,0,0,0,2,090210,090220,,,,,,,,,6,118,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,20
- 農林水産省「茶をめぐる情勢(令和8年10月)」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/ocha-201.pdf
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)「Mengenal Izin Edar Pangan: Apa Bedanya SPP-IRT dan BPOM RI MD/ML」(2026年5月19日) https://intelijen.pom.go.id/hot-issue/mengenal-izin-edar-pangan-apa-bedanya-spp-irt-dan-bpom-ri-md-ml
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)「Cek Produk BPOM」 https://cekbpom.pom.go.id/
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)規則2023年23号「加工食品の登録」 https://jdih.pom.go.id/download/rule/1518/23/2023/Peraturan%20Badan%20Pengawas%20Obat%20dan%20Makanan%20Nomor%2023%20Tahun%202023%20tentang%20Registrasi%20Pangan%20Olahan
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)規則2023年28号(輸入許可)(pasal.id 掲載の本文) https://pasal.id/peraturan/perban/peraturan-bpom-no-28-tahun-2023
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)規則2020年8号 16条(オンラインで売る加工食品)(pasal.id 掲載の本文) https://pasal.id/peraturan/perban/peraturan-bpom-no-8-tahun-2020
- インドネシア食品医薬品監督庁(BPOM)規則2018年31号(加工食品のラベル。2021年20号で改正)(pasal.id 掲載の本文) https://pasal.id/peraturan/perban/peraturan-bpom-no-31-tahun-2018
- Baker McKenzie「Indonesia: New Import Framework Brings Greater Clarity for Importers」(2025年11月) https://www.bakermckenzie.com/en/insight/publications/alerts/2025/11/indonesia-new-import-framework-brings-greater-clarity-for-importers
- ハラール製品保証実施機関(BPJPH) 2026年10月17日の期限と外国製品の扱い(2024年10月21日) https://bpjph.halal.go.id/read/bpjph-17-oktober-2026-produk-makanan-minuman-umk-harus-sudah-bersertifikat-halal-bagaimana-dengan-produk-luar-negeri
- ANTARA「Pemerintah memperpanjang penahapan sertifikasi halal hingga 2028」(2026年10月17日) https://www.antaranews.com/berita/5793025/pemerintah-memperpanjang-penahapan-sertifikasi-halal-hingga-2028
- インドネシア経済調整省「Pemerintah Sesuaikan Masa Penahapan Kewajiban Bersertifikat Halal dengan Memperhatikan Kesiapan Ekosistem dan Pemangku Kepentingan」(2026年10月16日) https://www.ekon.go.id/publikasi/detail/7161/pemerintah-sesuaikan-masa-penahapan-kewajiban-bersertifikat-halal-dengan-memperhatikan-kesiapan-ekosistem-dan-pemangku-kepentingan
- ハラール製品保証実施機関(BPJPH)規則2026年4号(船積み前のハラールの確認。廃止が発表された) https://peraturan.go.id/id/peraturan-bpjph-no-4-tahun-2026
- 宗教大臣決定2021年1360号「ハラール認証の義務から除外される材料」 https://lph.uin-alauddin.ac.id/assets/download/KMA_1360_Tahun_2021_tentang_Bahan_yang_Dikecualikan_dari_Kewajiban_Bersertifikat_Halal(rev).pdf
- ハラール製品保証実施機関(BPJPH)「Penting Diketahui, Ini Bahan yang Dikecualikan dari Kewajiban Bersertifikat Halal」 https://bpjph.halal.go.id/read/penting-diketahui-ini-bahan-yang-dikecualikan-dari-kewajiban-bersertifikat-halal
- ハラール製品保証実施機関(BPJPH)「Cek Status Sertifikasi Halal Produk di halal.go.id, Ini Caranya」(2022年11月) https://bpjph.halal.go.id/detail/cek-status-sertifikasi-halal-produk-di-halal-go-id-ini-caranya/
- ハラール製品保証実施機関(BPJPH)「Indonesia-Jepang Bahas Penguatan Kerja Sama Jaminan Produk Halal」 https://bpjph.halal.go.id/read/indonesia-jepang-bahas-penguatan-kerja-sama-jaminan-produk-halal
- Tilleke & Gibbins「Foreign Halal Certificate Registration in Indonesia」 https://www.tilleke.com/insights/foreign-halal-certificate-registration-in-indonesia/4/
- インドネシア財務省 財務大臣規則2026年60号(IJEPAの税率表) https://jdih.kemenkeu.go.id/api/download/7908de01-c644-403d-8cc1-362998327b55/2026pmkeuangan060.pdf
- インドネシア財務省 財務大臣規則2022年225号(RCEPの税率表・日本) https://jdih.kemenkeu.go.id/api/download/e71e2ec0-dd4d-4d98-b101-6c2eab675da7/225~PMK.010~2022Per.pdf
- インドネシア財務省 財務大臣規則2022年26号(関税分類・税率表) https://jdih.kemenkeu.go.id/api/download/04d90736-33d5-4b72-92a3-0d2b7c6bb8bd/26~PMK.010~2022Per.pdf
- インドネシア財務省 財務大臣規則2025年51号(輸入時の所得税PPh22) https://jdih.kemenkeu.go.id/api/download/2b4a88f1-0b7e-430c-aba7-b44dd401765d/2025pmkeuangan051.pdf
- インドネシア税務総局 PPN 12%と課税の基準額11/12の解説 https://www.pajak.go.id/en/node/113453
- インドネシア税務総局「Batasan Omzet Pengusaha Kecil Wajib PPN Dinaikkan」 https://www.pajak.go.id/id/siaran-pers/batasan-omzet-pengusaha-kecil-wajib-ppn-dinaikkan
- インドネシア税務総局「Makan di Restoran Tidak Kena PPN」(2022年5月19日) https://www.pajak.go.id/id/artikel/makan-di-restoran-tidak-kena-ppn
- 農林水産省 インドネシア向けの茶の残留農薬検査と登録検査機関 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/id_lab.html
- 日本郵便 国別の差出条件(インドネシア) https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/nonmailable_articles.php?cid=102
- 日本郵便 インドネシア宛ての受取人の番号の記載(2026年3月24日のお知らせ) https://www.post.japanpost.jp/service/send/oversea/information/2026/0324_01.html
- 日本郵便「EMSお届け日数表(東京)」 https://www.post.japanpost.jp/send/oversea/date/ems/tokyo.html
- 原口ほか「原料抹茶の保存条件が品質に与える影響」茶業研究報告93号(2002) https://www.jstage.jst.go.jp/article/cha1953/2002/93/2002_93_1/_pdf
- 山政小山園「抹茶の取扱い」 https://www.yamamasa-koyamaen.co.jp/matcha/basic/handling.html
- 一保堂茶舗「How to Keep Your Matcha Fresh」 https://ippodotea.com/blogs/ippodo-tea-blog/how-to-keep-your-matcha-fresh
























































































