インドネシアで抹茶カフェや抹茶スタンドを開くには、オンラインの許認可システムOSSで事業者番号(NIB)を取り、店の規模に合った衛生の許可を受けます。ハラール認証は、2026年10月16日に義務の時期を2028年へ延ばすと政府が発表しました。インドネシア投資・川下産業省(BKPM)のOSS、保健省、経済調整省の一次情報で手続きを確かめ、開店までの順番に並べました。シンガポールとタイの手続きは抹茶カフェ・抹茶スタンドを始めるにはにあります。
始める前に決める3つのこと
最初に決めるのは、店の形、事業の規模、外資の会社で開くかどうかの3つです。この3つで、事業区分、衛生の許可の種類、ハラール認証の時期、投資額の条件が変わります。
店の形と事業区分(KBLI)
KBLI(インドネシアの標準産業分類)は、OSSで事業者番号を取るときに選ぶ番号です。抹茶の店に関わるのは次の2つです。
| KBLI | 名前 | 店の形 |
|---|---|---|
| 56303 | Rumah Minum/Kafe | 恒久的な建物の全部か一部で、主に飲み物を出して店内で飲んでもらう |
| 56304 | Kedai Minuman | テントなど、移動や組み立てができる固定の場所で、作った飲み物を出す |
OSSによると、56303はKBLI 2025でも番号が変わっていません。ショッピングモールの区画や路面店で開く抹茶カフェは56303、屋台のような形のスタンドは56304が近い区分です。
事業の規模
規模は、投資省規則2025年5号の25条で、資本(土地と建物を除く)か年商で決まります。
| 規模 | 資本 | 年商 |
|---|---|---|
| 零細 | 10億ルピア以下 | 20億ルピア以下 |
| 小規模 | 10億ルピア超〜50億ルピア以下 | 20億ルピア超〜150億ルピア以下 |
| 中規模 | 50億ルピア超〜100億ルピア以下 | 500億ルピア以下 |
零細か小規模以上かで衛生の許可が変わり、零細・小規模か中規模以上かでハラールの時期の扱いが変わります。外資の会社は、この表にかかわらず大企業として扱われます。
OSSで事業者番号(NIB)とSertifikat Standarを取る
KBLI 56303は、零細から大企業までどの規模でも中低リスクで、OSSで事業者番号(NIB)とSertifikat Standar(事業の基準を守る旨の証明)が出ます。所管は店のある県・市(Bupati/Walikota)です。
中低リスクの許可の出方
投資省規則2025年5号186条では、中低リスクの許可はNIBと、審査なしのSertifikat Standarです。188条の流れは次のとおりです。
- 基本の要件(土地の使い方の適合、環境、建物の承認)を満たす
- OSSに事業の名前などを入れる
- 安全・衛生・環境(K3L)、環境管理の誓約(SPPL)、事業の基準と義務を守る旨の書式を出す
- OSSがNIBとSertifikat Standarを出す
56303で求められる3つの義務
OSSのKBLI 56303の欄は、許可を受けた事業者の義務を3つ挙げています。
出典: インドネシア投資・川下産業省/BKPM「OSS KBLI 56303 Aktivitas Rumah Minum/Kafe」 https://oss.go.id/en/kbli/detail/6c75f121-83a3-5878-a849-621ba4dbeabb?id=semua&lang=en
| 義務 | 対象 |
|---|---|
| 認証機関(LSPr)が出すSertifikat Standar | 外資の会社(PMA)だけ |
| 設備、組織と人員、接客、商品、管理のしくみの基準を自分で評価した書類 | すべて |
| Label HSP(零細)かSLHS(小規模・中規模・大企業) | すべて |
56304を選ぶ場合
OSSのKBLI 56304は、零細と小規模だけが選べます。義務はLabel HSP、定期的な活動の報告、基準の実施についての書類の提出の3つです。
フランチャイズに加盟する場合と、自分で始める場合
フランチャイズ(waralaba)では、本部と加盟店のどちらもOSSで登録証(STPW)を持つ義務があります。決まりは2024年9月2日に公布・施行された政令(PP)2024年35号で、2007年42号を廃止しました。STPWは事業を支える付帯の許可で、12条が義務、13条と14条が取る時期を定めています。
| 項目 | 本部 | 加盟店 |
|---|---|---|
| STPWを持つ時期 | 加盟の契約を結ぶ前 | 営業を始める前 |
| 申請に付ける書類 | 事業の説明書(Prospektus Penawaran Waralaba)。海外の本部は本国の事業許可の書類なども | 加盟の契約書。海外の本部のフランチャイズなら本部のSTPWも |
| 毎年の報告 | OSSで、翌年6月30日まで | OSSで、翌年6月30日まで |
本部は、契約に署名する14日前までに、インドネシア語の説明書を加盟を考える人に渡します(5条)。説明書には、直近2年の財務諸表、店の数、加盟店の一覧、双方の権利と義務などが入ります。フランチャイズにできる事業は、3年以上続けて営業し、直近2年の財務諸表で利益が出ていることが条件です(4条)。契約はインドネシアの法律に従い、対価の払い方、営業の地域、期間、更新と終了の方法などを書きます(6条)。対価の金額は政令では決まっていません。
加盟店は、本部が決めた品質の基準や条件を満たす範囲で、国産の品物を優先して使い、地元の零細・小規模・中規模の事業者と仕入れで組みます(26条)。店にはフランチャイズのロゴを見える場所に出します(21条・23条)。STPWを持たずに「waralaba」の名前を使うことは禁じられています(37条)。
加盟してもしなくても、事業区分(KBLI)を選んでNIBを取ること、衛生の許可、ハラール認証の時期は変わりません。外資の会社で開く場合は、PMAの条件も当てはまります。
衛生の許可:零細はLabel HSP、小規模以上はSLHS
抹茶を点てて出す店は、保健省の規則で「すぐに食べる・飲む食品を扱う場所」に入り、Label HSPかSLHSが要ります。どちらもOSSで申請する付帯の許可で、保健省規則2025年11号が中身を決めています。この規則は2025年10月3日に制定され、2024年17号を廃止しました。
2つの違い
| 項目 | Label HSP(零細) | SLHS(小規模以上) |
|---|---|---|
| 登録・点検 | 県・市の保健局か保健所に登録し、衛生の点検(IKL)で80点以上。点検は自己評価か保健局 | IKLで80点以上 |
| 人 | 経営者と、食品を扱う全員が衛生の説明会を受ける | 食品を扱う人の50%以上が講習の修了証を持ち、年1回健康診断を受ける |
| 検査 | 提出書類には入っていない(IKLの書式に検査結果を載せることはできる) | 飲食物と水の検査(大腸菌、ホルマリンなど)。結果は2か月有効 |
| 発行までの日数 | 15営業日 | 30営業日 |
| 更新の申請 | 期限の2か月前まで | 期限の3か月前まで |
講習や説明会は、保健省、州、県・市、保健省や自治体と組む団体などが開きます。SLHSの講習は保健省の教育課程に沿ったものです。
SLHSで出す書類
SLHSの申請では、事業の許可(NIBやSertifikat Standar)、IKLの自己評価、経営者と食品を扱う人の講習の修了証、健康診断の証明、IKLの結果、検査の結果を出します。検査結果は2か月しか使えないため、点検と書類をそろえる時期に合わせて検査を受けます。
取ったあとの義務
SLHSを取った店は、ロゴを店内の見える場所や包装に出し、IKLの結果を年1回、検査の結果を2年に1回報告します。同じ規則は、メニューなどに糖・塩・脂肪の量を示すNutrilevelのロゴを出すことも義務に挙げています。糖などの検査結果の提出は、上限の基準が決まってから始まります。Label HSPの店は、ラベルを店に出し、従業員への衛生の教育を続けます。
ハラール認証:2026年10月16日の発表で2028年へ
経済調整省は2026年10月16日、飲食物に関わるサービスのハラール認証の義務を2028年10月18日からにし、零細・小規模の事業者の飲食物の段階期間を2028年10月17日まで延ばすと発表しました。政令(PP)2024年42号を改正して行う予定で、2026年10月22日時点で改正の政令の公布は確認できませんでした。
政令2024年42号のしくみ
政令2024年42号2条では、インドネシアで流通する製品はハラール認証が要ります。ハラムの材料(イスラム法で禁じられた材料)から作る製品は認証の対象から外れ、「非ハラール」の表示が要ります。155条は、認証の対象となるサービスに、加工、保管、販売、提供(penyajian)を挙げています。160条の段階期間は次のとおりでした。
| 対象 | 段階期間の終わり(改正前) |
|---|---|
| 中規模・大企業の飲食物 | 2024年10月17日 |
| 零細・小規模の事業者の飲食物 | 2026年10月17日 |
発表された変更
出典: インドネシア経済調整省「Pemerintah Sesuaikan Masa Penahapan Kewajiban Bersertifikat Halal dengan Memperhatikan Kesiapan Ekosistem dan Pemangku Kepentingan」 https://www.ekon.go.id/publikasi/detail/7161/pemerintah-sesuaikan-masa-penahapan-kewajiban-bersertifikat-halal-dengan-memperhatikan-kesiapan-ekosistem-dan-pemangku-kepentingan
| 対象 | 発表された時期 |
|---|---|
| 飲食物に関わるサービス(と畜サービスを除く) | 2028年10月18日から |
| 零細・小規模の事業者の飲食物 | 2028年10月17日まで段階期間を延長 |
| 外国から来る飲食物 | 2028年10月18日から |
同じ発表で、輸入品の船積み前の確認を定めたBPJPH(ハラール製品保証実施機関)規則2026年4号を廃止するとしています。
カフェが確かめること
抹茶ラテを出すカフェが「飲食物」と「サービス」のどちらで扱われるかは、発表からは読み取れません。中規模・大企業や外資の会社は、改正前の160条1項では飲食物の段階期間がすでに終わっているため、改正の政令が出たら、自分の店がどちらの区分かをBPJPHに確かめます。ハラムの材料を使わない抹茶ラテは、「非ハラール」の表示で外れる製品には当たりません。
抹茶・ミルク・シロップなど材料の認証の確かめ方はハラール抹茶とはにあります。
外資の会社(PMA)で開くときの条件
外資の会社(PMA)は、投資省規則2025年5号26条1項で大企業として扱われ、投資額と資本金に下限があります。大企業の扱いなので、零細・小規模向けのハラールの延長は当てはまらず、OSSで零細・小規模だけが選べる56304も選べません。
投資額と資本金
| 項目 | 条件 | 条文 |
|---|---|---|
| 投資額(飲食サービス) | KBLIの上2桁ごと、1か所ごとに、土地と建物を除いて100億ルピア超 | 26条3項b |
| 1か所の数え方 | 県・市ごと | 26条4項 |
| 払込資本(株式会社) | 25億ルピア以上 | 26条10項 |
| 払込資本の扱い | 払い込んでから12か月は会社の口座から動かさない(資産の購入・建物・運営に使う場合を除く) | 27条1項 |
26条3項bの書き方では、飲食サービスはKBLIの上2桁(56)で数えるため、同じ市でカフェとレストランを開いても、投資額の条件は1つにまとまります。OSSのKBLI 56303の欄は、2021年の旧規則(BKPM規則2021年4号)を引いて同じ趣旨を説明しています。
PMAに加わる義務
OSSのKBLI 56303では、PMAには認証機関(LSPr)が出すSertifikat Standarが求められます。中低リスクでも、国内の零細・小規模の店より手続きが1つ多くなります。
抹茶の仕入れ:輸入の許可とハラール
抹茶を店で売る食品として日本から輸入するには、BPOM(インドネシア食品医薬品監督庁)の流通許可(ML番号)と、出荷ごとの輸入許可(SKI)が要ります。申請できるのは現地の輸入者で、日本の仕入れ先は書類を用意する側です。
自社で輸入するか、輸入者から買うか
自社で許可を取らない店は、ML番号を持つ輸入者から買います。輸入の飲食物のハラール義務は、先の発表で2028年10月18日からとされています。手順、日本側の書類、関税はインドネシアに抹茶を輸入するにはにまとめています。
仕入れ方を比べる
現地の輸入業者、自社の輸入、通販の3つの買い方と、BPOM番号の見分け方はインドネシアのカフェが業務用の抹茶パウダーを仕入れる方法で比べています。
メニュー・設備・税・仕入れ量
メニュー、設備、1か月の仕入れ量の考え方はシンガポール・タイと共通で、税はインドネシアの地方税を見ます。
メニューと設備
基本はホット抹茶ラテ、アイス抹茶ラテ、ストレートの抹茶です。はかり・ふるい・茶筅などの設備は抹茶カフェ・抹茶スタンドを始めるにはにあります。ほかのメニューは抹茶ドリンクの一覧から選べます。
SLHSとLabel HSPの条件には、汚れが移らない配置、食品用の器具、器具を洗う場所が入っています。設備の配置は、衛生の点検の項目に合わせて決めます。
店で出す飲み物の税
インドネシア税務総局の解説では、店で出す飲食は付加価値税(PPN)の対象外で、地方税のPBJTがかかり、上限は10%です。仕入れで払うPPNとの関係はインドネシアのカフェが業務用の抹茶パウダーを仕入れる方法にあります。
1か月の仕入れ量
1か月の量は、1杯のグラム数×1日の杯数×営業日数で出します。計算の表と、開けた袋を使い切る日数は抹茶カフェ・抹茶スタンドを始めるにはにあります。
開店までの順番
手続きは、店の形と規模を決め、OSSでNIBを取り、衛生の許可を取る順に進めます。ハラール認証は、改正の政令が出たら自分の店の区分と時期を確かめて準備します。
順番の表
| 順番 | やること | 相手 |
|---|---|---|
| 1 | 店の形(56303か56304)、規模、外資かを決める | 自社 |
| 2 | 外資なら、投資額と資本金が条件に届くかを計画する | 自社 |
| 3 | 店の場所が基本の要件(土地の使い方・環境・建物の承認)を満たすか確かめる | 自社 |
| 4 | OSSでNIBとSertifikat Standarを取る(PMAはLSPrの証明も、フランチャイズの加盟店はSTPWも) | OSS |
| 5 | 経営者と従業員が講習・説明会を受ける | 保健省・自治体など |
| 6 | IKLの点検、SLHSなら検査を受け、Label HSPかSLHSを申請する | 県・市の保健局 |
| 7 | 抹茶と材料の仕入れ先を決め、ML番号とハラール証明書を確かめる | 輸入者 |
| 8 | ラベルやロゴを店に出して開店する | 自社 |
Omakase Matchaから仕入れる場合
Omakase Matchaは、宇治・八女・鹿児島・静岡・宮崎の産地から仕入れた抹茶を、1kgから卸しています。インドネシアへは、関税と税を受け取るときにお店で払っていただくDAPで届けます。支払いはWiseまたはPayPalでの前払いです。開店前に味を比べたい場合は3種類までサンプル請求ができ、条件はインドネシア向け卸と取引方法のページにあります。
参考にした情報
確認日:2026年10月22日
- インドネシア投資・川下産業省/BKPM「OSS KBLI 56303 Aktivitas Rumah Minum/Kafe」 https://oss.go.id/en/kbli/detail/6c75f121-83a3-5878-a849-621ba4dbeabb?id=semua&lang=en
- インドネシア投資・川下産業省/BKPM「OSS KBLI 56304 Aktivitas Kedai Minuman」 https://oss.go.id/en/kbli/detail/6df07938-6bd6-5a19-840c-5d38cf21c5f4?id=semua&lang=en
- 投資・川下産業大臣/BKPM規則2025年5号(OSSによる許認可の手引き) https://peraturan.bpk.go.id/Details/332573/permeninvesbkpm-no-5-tahun-2025
- 保健大臣規則2025年11号(保健分野の事業の基準) https://peraturan.bpk.go.id/Details/335213/permenkes-no-11-tahun-2025
- 政令(PP)2024年35号(フランチャイズ)(2026年10月23日確認) https://peraturan.bpk.go.id/Details/297489/pp-no-35-tahun-2024
- 政令(PP)2024年42号(ハラール製品保証) https://peraturan.bpk.go.id/Details/304896/pp-no-42-tahun-2024
- インドネシア税務総局「Makan di Restoran Tidak Kena PPN」(2022年5月19日) https://www.pajak.go.id/id/artikel/makan-di-restoran-tidak-kena-ppn
- インドネシア経済調整省「Pemerintah Sesuaikan Masa Penahapan Kewajiban Bersertifikat Halal dengan Memperhatikan Kesiapan Ekosistem dan Pemangku Kepentingan」(2026年10月16日) https://www.ekon.go.id/publikasi/detail/7161/pemerintah-sesuaikan-masa-penahapan-kewajiban-bersertifikat-halal-dengan-memperhatikan-kesiapan-ekosistem-dan-pemangku-kepentingan
























































































